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研究開発
プロジェクト1:カーボンナノチューブの分散と切断
ナノフロンティアテクノロジーでは、カーボンナノチューブを分散・切断することに成功いたしました。
CVD法やアーク放電法等で大量製造されたカーボンナノチューブは、ナノサイズの一次構造体が凝集した状態が一般的な形状となっています。この状態のまま樹脂、金属、セラミクス、ゴム等に混入する場合
(1) 少量の添加では期待する特性が得られない
(2) 凝集部分と分散部分の差異により、均一な特性が得られない
(3) 凝集部分から複合素材の破壊が生じる
(4) 多量の添加により母材特性を失ってしまう
(5) 多量の添加により高価な素材となってしまう
などの問題点がありました。
複合材料にカーボンナノチューブを使用する場合には、この凝集体を分散することが、優れた性質を引き出すキーとなります。ナノフロンティアテクノロジーでは独自の方法により、カーボンナノチューブを分散させることに成功しました。また、用途に応じて任意の長さに切断することも可能です。
従来の分散・切断方法としては超強力超音波やレーザー処理がありますが、長い処理時間を必要とし大量処理には不向きです。またボールミルやビーズミルなどの方法もありますが、ボールやビーズのコンタミが懸念されます。当社では短時間の処理で容易に安価に処理を行うことが可能です。
分散事例
今後、下記の分野での応用を検討しており、高機能複合材の開発を目指し大学・企業との共同研究を進めていきます。
プロジェクト2:世界一の光吸収率と耐久性を持つ金属酸化物複合太陽熱吸収体の開発
ナノフロンティアテクノロジーでは、酸化チタンと金属酸化物粒子を複合し、世界一の光吸収率と長期高温耐久性を持つ太陽熱吸収体の開発に成功しました。
このグラフはステンレスにコーティングした膜を850℃で加熱実験した結果を示しています。
開発された太陽熱吸収体は、幅広い波長域で高い光吸収率を示しています。
10時間の加熱で少し光吸収率は低下しましたが、100時間の加熱でもほとんど変わらず、高い光吸収率を保っています。
一方既存品は、10時間の加熱で大きく光吸収率が低下しているのがわかります。膜の剥離がひどく、100時間試験を続行することはできませんでした。
このように、高い長期高温耐熱性と高い光吸収率の両方を併せもつ太陽熱吸収体は、世界でも他に類がありません。
今後CSP(集光型太陽熱発電)の中でも、特に高温仕様であるタワー式太陽熱発電、ディッシュ式太陽熱発電の集光部(集熱器)へ展開していきます。
プロジェクト3:カーボンナノチューブ複合太陽光吸収膜の開発
開発された光吸収膜は幅広い波長域で高い光吸収特性を示しています。
キセノンランプを照射して基板の温度を測定した結果、光吸収特性と比例して開発品のほうが既存品よりも高い温度を示していることから、既存品よりも多く光を吸収し、熱に変える力が大きいことがわかります。
今後、太陽熱温水用の集熱体、太陽熱発電用の集熱部材のほか、廃熱吸収、黒色膜、放熱部材などにも展開していきたいと考えています。